候補問題 No.8
技能試験の候補問題 No.8の単線図から、一つ一つ順番を追って複線図の書き方を説明しますので、第二種電気工事士 技能試験を受験される際の参考にしてください。
リモコンスイッチを用いた候補問題です。単線図をみると、リモコンリレーの操作側は施工省略で、リモコンリレーの主回路側の施工となります。リモコンリレーは代用品として6極の端子台が用いられます。
黒丸(●)の横に「R」と書かれている記号は、リモコンスイッチを表しています。リモコンスイッチ「イ」にて丸型引掛シーリング「イ」の点滅、リモコンスイッチ「ロ」にてランプレセプタクルチ「ロ」の点滅、リモコンスイッチ「ハ」にて角型引掛シーリング「ハ」(施工省略)の点滅を行う回路となっています。
- リモコンリレー
- 照明器具などを遠隔操作でオンオフできるスイッチのことで、信号線によりスイッチのオンオフを行います。
- リモコントランス
- リモコンリレーの制御回路の動作電圧は100Vではなく24Vです。電圧の変換にリモコントランスと呼ばれる変圧器を使用します。
複線図の書き方
候補問題 No.8の複線図の書き方を順番に解説していきます。
- 公開された候補問題 No.8の単線図の配置通りに、「電源(接地側)」「電源(非接地側)」と、アウトレットボックスを書きます。アウトレットボックス内には電線接続点を設けますので、図記号の代わりに大きめの四角(正方形)を書いてください。
- さらに、丸型引掛シーリング「イ」、ランプレセプタクル「ロ」、角型引掛シーリング「ハ」(施工省略)を追記します。リモコンリレーについては6極の端子台が代用品として用いられますので、複線図の左下に端子台を追加してください。
- 複線図は、接地側の電線を書くことから始めます。まず、電源(接地側)からアウトレットボックス内を経由し、ランプレセプタクル「ロ」の接地側まで線を引きます。
- アウトレットボックスを通過する線には電線接続点「●」を設け、その電線接続点「●」から丸型引掛シーリング「イ」の接地側と、角型引掛シーリング「ハ」(施工省略)の接地側とを線で繋ぎます。
- 次に書くのは、丸型引掛シーリングの点滅回路です。丸型引掛シーリングの非接地側と端子「イ」間を線で結びます。さらに端子「イ」からアウトレットボックス内を経由し、 電源(非接地側)まで線で引きます。
- アウトレットボックス内では、丸型引掛シーリング「イ」の非接地側電線と、電源線(非接地側)に電線接続点「●」を設けます。
- 今度はランプレセプタクル「ロ」の点滅回路を書きます。ランプレセプタクル「ロ」の非接地側と端子台の端子「ロ」とを線で繋ぎます。さらに端子「ロ」と、アウトレットボックス内にある電源(非接地側)の電線接続点「●」を線で結びます。
- アウトレットボックス内では、ランプレセプタクル「ロ」の非接地側電線に電線接続点「●」を設けてください。
- 同様に、角型引掛シーリング「ハ」(施工省略)の非接地側と端子台の端子「ハ」とを線で繋ぎます。さらに端子「ハ」と、アウトレットボックス内にある電源(非接地側)の電線接続点「●」を線で結びます。
- アウトレットボックス内では角型引掛シーリング「ハ」(施工省略)の非接地側電線に電線接続点「●」を設けてください。
- これで一応、候補問題No.8の複線図は完成です。この複線図を参照すれば技能試験の作品を作ることができるのですが、実際のところ、どこに何色の電線を接続すればよいのか分かりません。電線の色別を分かりやすくするには、電線をケーブル単位でひとくくりにする必要があります。
- 施工条件にもよりますが、電線2本はケーブルの2心、電線6本はケーブルの2心を3本使用しますので、上記複線図のようにケーブル単位で電線を囲んでください。
以上で候補問題No.8の複線図は完成です。最初のうちは、本ページで説明している複線図の書き方がほとんど理解できないと思います。何回も複線図を書く練習をすれば自ずとポイントが掴め、短時間で複線図が書けるようになります。
複線図が書けるようになったら、次の段階に進みます。次の段階とは、接続すべき電線の色を複線図に書き込む作業です。本ページで書いた複線図は単色で、どこにどの色の電線を接続したらいいのか分かりません。次ページでは、接続すべき電線の色を複線図に明記していきたいと思います。