候補問題 No.4
技能試験の候補問題 No.4の単線図から、一つ一つ順番を追って複線図の書き方を説明しますので、第二種電気工事士 技能試験を受験される際の参考にしてください。
候補問題 No.4の単線図をみてみると、単相2線式100V回路と三相3線式200V回路の2種類が用いられています。単相2線式100V回路については、配線用遮断器「B」の二次側にコンセント回路と引掛シーリング「イ」の点滅回路があります。三相3線式200V回路については、過負荷保護付漏電遮断器「BE」の二次側に電動機(モーター)と電源表示灯のランプレセプタクルが設置されています。
- 配線用遮断器
- 配線用遮断器は、過負荷(過電流)と短絡から電路を保護するために設置します。図記号は四角の中に「B」と書きます。
- 過負荷保護付漏電遮断器
- 過負荷保護付漏電遮断器は、過負荷(過電流)、短絡、および地絡(漏電)から電路を保護するために設置します。図記号は四角の中に「BE」と書きます。
複線図の書き方
候補問題 No.4の複線図の書き方を順番に解説していきます。
- 公開された候補問題 No.4の単線図の配置通りに、ジョイントボックス2個を書きます。ジョイントボック内には電線接続点を設けますので、図記号の代わりに大きめの丸い円を書いてください。配線用遮断器「B」と過負荷保護付漏電遮断器「BE」については5極の端子台が代用品として用いられますので、複線図の左上に端子台を追加してください。
- さらに、ランプレセプタクル(電源表示灯)、角型引掛シーリング「イ」、スイッチ「イ」、及びコンセントを追記します。
- 複線図は、100V回路の接地側の電線を書くことから始めます。まず、端子台のN極(接地側)からジョイントボックス内を経由し、コンセントの接地側まで線を引きます。
- ジョイントボックスを通過する線には電線接続点「●」を設け、その電線接続点「●」と角型引掛シーリング「イ」の接地側を線で繋ぎます。
- 次に書くのは、角型引掛シーリング「イ」の点滅回路です。角型引掛シーリング「イ」の非接地側からジョイントボックスを経て、スイッチ「イ」まで線を引きます。さらにスイッチ「イ」からジョイントボックス内を経由し、端子台のL極(非接地側)まで線を引きます。
- ジョイントボックス内にある角型引掛シーリング「イ」の非接地側電線と、電源線(非接地側)には電線接続点「●」を設けます。
- それから、コンセントの非接地側とスイッチ「イ」間を渡り線で結びます。
- 今度は200V三相電源部分の複線図を書きます。端子台のR極からジョイントボックス内を経由し、電動機(施工省略)まで線を引きます。同様に、端子台のS極、T極からも電動機(施工省略)の向かって線を引きます。ジョイントボックス内においては電線接続点「●」(計3か所)を設けてください。
- 電源表示灯であるランプレセプタクルの配線を追加します。電源表示灯は常時点灯ですので、電源に対して並列に接続します。施工条件で電源表示灯はS相とT相間に接続することとなっています。この部分の配線に関しては、上記の複線図をご覧ください。
- これで一応、候補問題No.4の複線図は完成です。この複線図を参照すれば技能試験の作品を作ることができるのですが、実際のところ、どこに何色の電線を接続すればよいのか分かりません。電線の色別を分かりやすくするには、電線をケーブル単位でひとくくりにする必要があります。
- 施工条件にもよりますが、電線2本はケーブルの2心、電線3本はケーブルの3心を使用しますので、上記複線図のようにケーブル単位で電線を囲んでください。
以上で候補問題No.4の複線図は完成です。最初のうちは、本ページで説明している複線図の書き方がほとんど理解できないと思います。何回も複線図を書く練習をすれば自ずとポイントが掴め、短時間で複線図が書けるようになります。
複線図が書けるようになったら、次の段階に進みます。次の段階とは、接続すべき電線の色を複線図に書き込む作業です。本ページで書いた複線図は単色で、どこにどの色の電線を接続したらいいのか分かりません。次ページでは、接続すべき電線の色を複線図に明記していきたいと思います。