候補問題 No.12

技能試験の候補問題 No.12の単線図から、一つ一つ順番を追って複線図の書き方を説明しますので、第二種電気工事士 技能試験を受験される際の参考にしてください。

候補問題 No.12の単線図候補問題 No.12の単線図をみると、引掛シーリング「イ」の点滅回路、ランプレセプタクル「ロ」の点滅回路、及びコンセント回路から構成されています。アウトレットボックスとスイッチ「ロ」・コンセント間には、合成樹脂製可とう電線管とIV線の1.6mmが用いられます。

合成樹脂製可とう電線管
合成樹脂管工事で用いられる合成樹脂管の中で、手で容易に曲げることができる合成樹脂製の電線管のことを合成樹脂製可とう電線管(PF管)と呼びます。電気工事士 技能試験においては、PF管、PF管用ボックスコネクタ及びロックナットが用いられます。

複線図の書き方

候補問題 No.12の複線図の書き方を順番に解説していきます。

  1. 複線図にジョイントボックス・アウトレットボックスと電源を配置する公開された候補問題 No.12の単線図の配置通りに、「電源(接地側)」「電源(非接地側)」と、ジョイントボックス、アウトレットボックスを書きます。ジョイントボック内とアウトレットボックス内には電線接続点を設けますので、図記号の代わりに大きめの丸い円と四角(正方形)を書いてください。
  2. 複線図に配線器具等を配置するさらに、ランプレセプタクル「ロ」、角型引掛シーリング「イ」、コンセント、及びスイッチ2個(「イ」「ロ」)を追記します。
  3. 接地側(電源)の電線を複線図に書く複線図は、接地側の電線を書くことから始めます。まず、電源(接地側)からアウトレットボックスを通過し、コンセントの接地側まで線を引っ張ります。
  4. アウトレットボックスを通過する線には電線接続点「●」を設け、その接続点からランプレセプタクル「ロ」の接地側まで線を引きます。ジョイントボックスを通過する線にも電線接続点「●」を設け、その電線接続点「●」と角形引掛シーリング「イ」とを線で結びます。
  5. 角型引掛シーリングの点滅回路を書く次に書くのは、角型引掛シーリング「イ」の点滅回路です。角型引掛シーリング「イ」の非接地側からジョイントボックスとアウトレットボックスを経由し、スイッチ「イ」まで線を引きます。さらにスイッチ「イ」からアウトレットボックス内を経由し、電源(非接地側)まで線を引きます。
  6. 各ボックス内では、角型引掛シーリング「イ」の非接地側電線と、電源の接地側電線に接続点「●」(計3か所)を設けます。
  7. ランプレセプタクルの点滅回路を書く今度はランプレセプタクル「ロ」の点滅回路を書きます。ランプレセプタクル「ロ」の非接地側からスイッチ「ロ」まで線を引っ張り、スイッチ「ロ」とアウトレットボックス内にある電源(非接地側)の電線接続点「●」を線で結びます。
  8. 各ボックスを通過するランプレセプタクル「ロ」の非接地側電線にも電線接続点「●」(計2か所)を設けてください。
  9. 蛍光灯の配線を追加コンセントの非接地側は、電源(非接地側)に繋ぎます。電源(非接地側)はスイッチ「ロ」の非接地側と共用できますので、コンセントの非接地側とスイッチ「ロ」の非接地側とを渡り線で繋ぎます。
  10. 候補問題No.12の複線図が完成これで一応、候補問題No.12の複線図は完成です。この複線図を参照すれば技能試験の作品を作ることができるのですが、実際のところ、どこに何色の電線を接続すればよいのか分かりません。電線の色別を分かりやすくするには、電線をケーブル単位でひとくくりにする必要があります。
  11. 施工条件にもよりますが、電線2本はケーブルの2心、電線3本はケーブルの3心、またはIV線を3本使用しますので、上記複線図のようにケーブル単位で電線を囲んでください。また、アウトレットボックスとスイッチ「ロ」・コンセント間は合成樹脂管工事となりますので、複線図に「PF管」と明記しておくと良いでしょう?

以上で候補問題No.12の複線図は完成です。最初のうちは、本ページで説明している複線図の書き方がほとんど理解できないと思います。何回も複線図を書く練習をすれば自ずとポイントが掴め、短時間で複線図が書けるようになります。

複線図が書けるようになったら、次の段階に進みます。次の段階とは、接続すべき電線の色を複線図に書き込む作業です。本ページで書いた複線図は単色で、どこにどの色の電線を接続したらいいのか分かりません。次ページでは、接続すべき電線の色を複線図に明記していきたいと思います。