候補問題 No.6
技能試験の候補問題 No.6の単線図から、一つ一つ順番を追って複線図の書き方を説明しますので、第二種電気工事士技能試験を受験される際の参考にしてください。
No.6の候補問題は、3路スイッチ「イ」(2個)による引掛シーリング「イ」(2個)の点滅回路です。また、露出型コンセント回路の施工が必要です。
- 3路スイッチ
- 3路スイッチを2個用いると、引掛シーリング等に接続された照明器具のON、OFFをそれぞれのスイッチから行うことができます。
複線図の書き方
候補問題 No.6の複線図の書き方を順番に解説していきます。
公開された候補問題 No.6の単線図の配置通りに、「電源(接地側)」「電源(非接地側)」と、ジョイントボックス2個を書きます。ジョイントボック内には電線接続点を設けますので、図記号の代わりに大きめの丸い円を書いてください。
さらに、角型引掛シーリング「イ」(2個のうち、1個は省略個所)、ランプレセプタクル「イ」、及び3路スイッチ「イ」(2個)を追記します。
複線図は、接地側の電線を書くことから始めます。まず、電源(接地側)から各ジョイントボックス内を経由し、角型引掛シーリング「イ」(施工省略)の接地側まで真っすぐ線を引きます。それぞれのジョイントボックスを通過する線には電線接続点「●」を設け、その電線接続点「●」から角型引掛シーリング「イ」の接地側と、コンセントの接地側とを線で繋ぎます。
次に書くのは、コンセント回路の非接地側です。電源(非接地側)からジョイントボックス内を経由し、コンセントの非接地側まで線を引きます。ジョイントボックス(右側)内の非接地側電線には電線接続点「●」を設けます。
今度は、ジョイントボックス(右側)内にある電源(非接地側)の電線接続点と、3路スイッチ「イ」(右側)の可動接点側(非接地側)を線で繋ぎます。
ジョイントボックスを経由し、3路スイッチ「イ」の固定接点間を2本の線で繋ぎます。各ジョイントボックス内の固定接点間の電線には電線接続点「●」を設けてください。
3路スイッチ「イ」(左側)の可動接点から角型引掛シーリング「イ」の非接地側に線を伸ばします。ジョイントボックス(左側)内にある3路スイッチ「イ」(左側)の接地側電線には電線接続点「●」を設けます。その電線接続点「●」から角型引掛シーリング「イ」(施工省略)の非接地側に線を伸ばします。
これで一応、候補問題No.6の複線図は完成です。この複線図を参照すれば技能試験の作品を作ることができるのですが、実際のところ、どこに何色の電線を接続すればよいのか分かりません。電線の色別を分かりやすくするには、電線をケーブル単位でひとくくりにする必要があります。
- 施工条件にもよりますが、電線2本はケーブルの2心、電線3本はケーブルの3心を使用しますので、上記複線図のようにケーブル単位で電線を囲んでください。
複線図に電線の色を書く
ケーブル2心には黒色と白色の電線2本が、ケーブル3心には黒色、白色、及び赤色の電線3本が使用されています。電線の色に関しては、電源からの接地側電線は全て白色、電源からの接地側電線は黒色、赤色に関してはどちら側にも使用可能となっています。また、スイッチの接地側に関しては色別を問われない場合があります。これらの施工条件に従い、これから複線図の線に色を明記していきます。
このページでは電線の色を分かりやすくするためカラーで記載していますが、実際の技能試験では電線の横に「黒」「白」「赤」と記載するなり、各自が工夫して線の色を複線図に明記してください。
施工条件により、電源(接地側)、引掛シーリング「イ」(施工省略)、コンセント、及び引掛シーリング「イ」の接地側電線は白色です。
スイッチ接地側(3路スイッチ間)に関しては色別を問われませんので、3路スイッチ「イ」間の電線2組の内、1組は赤色で統一します。
各3路スイッチとジョイントボックス間は3心のケーブルが用いられます。スイッチ接地側(3路スイッチ間)の電線の色は問われませんので、各3路スイッチ「イ」と各ジョイントボックス間の電線の色は白色とします。
あとはジョイントボックス内における電線相互の接続方法を明記します。昨年度の電気工事士技能試験の施工条件によると、左側のジョイントボックス内における電線相互の接続には差込型コネクタが、右側のジョイントボックス内における電線相互の接続にリングスリーブはが指定されています。技能試験の作品を施工する際、間違えて接続しないよう指定された接続方法を複線図に分かりやすく記入してください。
候補問題 No.6においては、電線の色別を問われない箇所があります。上記複線図の黄色の線が該当しますのでご参照ください。
- 以上で、候補問題 No.6の複線図の書き方の説明は終了です。