候補問題 No.11
技能試験の候補問題 No.11の単線図から、一つ一つ順番を追って複線図の書き方を説明しますので、第二種電気工事士 技能試験を受験される際の参考にしてください。
単線図をみると、スイッチ「イ」による角型引掛シーリングの点滅回路、スイッチ「ロ」によるランプレセプタクルの点滅回路、及びコンセント回路から構成されています。また、ジョイントボックスとコンセント・スイッチ「イ」間には金属管が使用され、当該部分の電線はIV線の1.6mmとなっています。
- 金属管工事
- 金属製の管の中に電線を通して配線する工事で、どんな場所でも施工できます。電気工事士 技能試験においては、ねじなし電線管、ねじなし管用ボックスコネクタ、 絶縁ブッシング及びロックナットが用いられます。
複線図の書き方
候補問題 No.11の複線図の書き方を順番に解説していきます。
- 公開された候補問題 No.11の単線図の配置通りに、「電源(接地側)」「電源(非接地側)」と、アウトレットボックスを書きます。アウトレットボックス内には電線接続点を設けますので、図記号の代わりに大きめの四角(正方形)を書いてください。
- さらに、角型引掛シーリング「イ」、ランプレセプタクル「ロ」、コンセント、及びスイッチ2個(「イ」「ロ」)を追記します。
- 複線図は、接地側の電線を書くことから始めます。まず、電源(接地側)からアウトレットボックス内を経由し、角型引掛シーリング「イ」の接地側まで真っすぐ線を引きます。
- アウトレットボックスを通過する線には電線接続点「●」を設け、その電線接続点「●」からランプレセプタクル「ロ」の接地側と、コンセントの接地側とを線で繋ぎます。
- 次に書くのは、角型引掛シーリング「イ」の点滅回路です。角型引掛シーリング「イ」の非接地側からアウトレットボックス内を経由し、スイッチ「イ」まで線を引きます。さらにスイッチ「イ」から 電源(非接地側)まで線を引き、アウトレットボックス内の電源線(非接地側)及び角型引掛シーリング「イ」の非接地側電線に接続点「●」(計2か所)を設けます。
- 今度はランプレセプタクル「ロ」の点滅回路を書きます。ランプレセプタクル「ロ」の非接地側からスイッチ「ロ」まで線を引っ張り、スイッチ「ロ」からアウトレットボックス内にある電源(非接地側)の電線接続点「●」まで線を引きます。
- アウトレットボックスを通過するスイッチ「ロ」の接地側電線には電線接続点「●」を設けてください。
- コンセントの非接地側は電源(非接地側)に繋ぎます。電源(非接地側)はスイッチ「イ」の非接地側と共用できますので、コンセントの非接地側とスイッチ「イ」の非接地側とを渡り線で結びます。
- これで一応、候補問題No.11の複線図は完成です。この複線図を参照すれば技能試験の作品を作ることができるのですが、実際のところ、どこに何色の電線を接続すればよいのか分かりません。電線の色別を分かりやすくするには、電線をケーブル単位でひとくくりにする必要があります。
- 施工条件にもよりますが、電線2本はケーブルの2心、電線3本はIV線を使用しますので、上記複線図のようにケーブル(IV線)単位で電線を囲んでください。また、アウトレットボックスとスイッチ「イ」・コンセント間は金属管工事となりますので、その旨を複線図に明記しておくと良いでしょう!
以上で候補問題No.11の複線図は完成です。最初のうちは、本ページで説明している複線図の書き方がほとんど理解できないと思います。何回も複線図を書く練習をすれば自ずとポイントが掴め、短時間で複線図が書けるようになります。
複線図が書けるようになったら、次の段階に進みます。次の段階とは、接続すべき電線の色を複線図に書き込む作業です。本ページで書いた複線図は単色で、どこにどの色の電線を接続したらいいのか分かりません。次ページでは、接続すべき電線の色を複線図に明記していきたいと思います。