候補問題 No.1

技能試験の候補問題 No.1の単線図から、一つ一つ順番を追って複線図の書き方を説明しますので、第二種電気工事士 技能試験を受験される際の参考にしてください。

候補問題 No.1の単線図ほたるスイッチ「イ」で角型引掛シーリング「イ」の点滅を、スイッチ「ロ」でランプレセプタクル、スイッチ「ハ」で蛍光灯(施工省略)を点滅させる候補問題です。また、電源線にはEM-EEF(エコケーブル)が用いられています。

ほたるスイッチ
“ほたる”のように光で位置を表示するランプ付きのスイッチのことで、スイッチ「入」の状態でランプが消灯、スイッチ「切」の状態でランプが点灯します。ランプの点灯回路はスイッチの内部に内蔵されていますので、通常のスイッチと同様に扱うことができます。
EM-EEF(エコケーブル)
EM-EEFとはポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブルの略で、エコケーブルとも呼ばれています。エコケーブルは環境への影響を低減した材料を用いたケーブルで、焼却処理される場合などに有害ガスやダイオキシン等が発生しません。構造はVVFケーブルとあまり変わりませんが、被覆が固いため、配線加工が難しくなります。

複線図の書き方

候補問題 No.1の複線図の書き方を順番に解説していきます。

  1. 複線図にジョイントボックスと電源を配置する公開された候補問題 No.1の単線図の配置通りに、「電源(接地側)」「電源(非接地側)」と、ジョイントボックス2個を書きます。ジョイントボック内には電線接続点を設けますので、図記号の代わりに大きめの丸い円を書いてください。
  2. 複線図に配線器具等を配置するさらに、角型引掛シーリング「イ」、ランプレセプタクル「ロ」、スイッチ3個(「イ」「ロ」「ハ」)、及び施工省略の蛍光灯「ハ」を追記します。
  3. 接地側(電源)の電線を複線図に書く複線図は、接地側の電線を書くことから始めます。まず、電源(接地側)から各ジョイントボックス内を経由し、ランプレセプタクル「ロ」の接地側まで線を引きます。
  4. それぞれのジョイントボックスを通過する線には電線接続点「●」を設け、その電線接続点「●」から角型引掛シーリング「イ」の接地側と、蛍光灯「ハ」(施工省略)の接地側とを線で繋ぎます。
  5. 角型引掛シーリングの点滅回路を書く次に書くのは、角型引掛シーリング「イ」の点滅回路です。角型引掛シーリング「イ」の非接地側から、スイッチ「イ」までを線で結びます。さらにスイッチ「イ」からジョイントボックス内を経由し、電源(非接地側)まで線を引きます。
  6. ジョイントレットボックス内では、角型引掛シーリング「イ」の非接地側電線と、電源の非接地側電線に電線接続点「●」を設けます。
  7. ランプレセプタクルの点滅回路を書く今度はランプレセプタクル「ロ」の点滅回路を書きます。ランプレセプタクル「ロ」とスイッチ「ロ」間を線で結び、スイッチ「ロ」間とスイッチ「イ」は渡り線で結びます。
  8. 各ジョイントボックスを通過するランプレセプタクル「ロ」の非接地側電線には電線接続点「●」(計2か所)を設けてください。
  9. 蛍光灯の点滅回路を書く同様に、蛍光灯「ハ」(施工省略)とスイッチ「ハ」間を線で繋ぎ、スイッチ「ハ」とスイッチ「ロ」間を渡り線で結びます。
  10. 各ジョイントボックスを通過する蛍光灯「ハ」(施工省略)の非接地側電線には電線接続点「●」(計2か所)を設けてください。
  11. 候補問題No.1の複線図が完成これで一応、候補問題No.1の複線図は完成です。この複線図を参照すれば技能試験の作品を作ることができるのですが、実際のところ、どこに何色の電線を接続すればよいのか分かりません。電線の色別を分かりやすくするには、電線をケーブル単位でひとくくりにする必要があります。
  12. 施工条件にもよりますが、電線2本はケーブルの2心、電線3本はケーブルの3心、電線4本はケーブルの2心を2本使用しますので、上記複線図のようにケーブル単位で電線を囲んでください。

以上で候補問題No.1の複線図は完成です。最初のうちは、本ページで説明している複線図の書き方がほとんど理解できないと思います。何回も複線図を書く練習をすれば自ずとポイントが掴め、短時間で複線図が書けるようになります。

複線図が書けるようになったら、次の段階に進みます。次の段階とは、接続すべき電線の色を複線図に書き込む作業です。本ページで書いた複線図は単色で、どこにどの色の電線を接続したらいいのか分かりません。次ページでは、接続すべき電線の色を複線図に明記していきたいと思います。