候補問題 No.9

技能試験の候補問題 No.9の単線図から、一つ一つ順番を追って複線図の書き方を説明しますので、第二種電気工事士 技能試験を受験される際の参考にしてください。

候補問題 No.9の単線図単線図をみると、ランプレセプタクル「イ」と丸型引掛シーリング「イ」の点滅回路、及びコンセント回路から構成されています。点滅回路は、スイッチ1個でランプレセプタクル「イ」と引掛シーリング「イ」を同時にオンオフさせます。コンセント回路は、EET(埋込アースターミナル付接地コンセント)と2個口コンセント(施工省略)の2種類があります。また、EETにはD種接地工事が必要です。

EET(埋込アースターミナル付接地コンセント)
接地極(E)と接地端子(ET)が付いたコンセントです。EETを用いると、コンセントプラグが3極のもの、2極で接地コードの出ているものの両方が使用できます。技能試験においては、EETの裏面にある接地極用の端子にアース線(E1.6)を接続します。

複線図の書き方(複線図の書き方)

候補問題 No.9の複線図の書き方を順番に解説していきます。

  1. 複線図にジョイントボックスと電源を配置する公開された候補問題 No.9の単線図の配置通りに、「電源(接地側)」「電源(非接地側)」と、ジョイントボックス2個を書きます。ジョイントボック内には電線接続点を設けますので、図記号の代わりに大きめの丸い円を書いてください。
  2. 複線図に配線器具等を配置するさらに、ランプレセプタクル「イ」、スイッチ「イ」、丸型引掛シーリング「イ」、及びEET(以下、接地コンセント)を追記します。
  3. 接地側(電源)の電線を複線図に書く複線図は、接地側の電線を書くことから始めます。まず、電源(接地側)からジョイントボックス(右側)内を経由し、丸型引掛シーリング「イ」の接地側まで線を引きます。
  4. ジョイントボックス(右側)内を通過する線には電線接続点「●」を設け、その電線接続点「●」から接地コンセントの接地側と、ジョイントボックス(左側)内を経由してランプレセプタクル「イ」の接地側とを線で繋ぎます。なお、ジョイントボックス(左側)を通過する線にも電線接続点「●」を設けます。
  5. 接地コンセントの回路を書く次に書くのは、接地コンセント回路の非接地側です。接地コンセントの非接地側からジョイントボックス内を経由し、電源(非接地側)まで線を引きます。アウトレットボックス内では電源線の非接地側に電線接続点「●」を設けます。
  6. 2口コンセントの配線を追加接地コンセントの上方に2口コンセント(施工省略)が設置されていますので、接地コンセントと2口コンセント(施工省略)間を2本の線で結びます。
  7. ランプレセプタクルの点滅回路を書く今度は、ランプレセプタクル「イ」の点滅回路を書きます。ランプレセプタクル「イ」の非接地側からスイッチ「イ」まで線を伸ばします。さらにスイッチ「イ」からジョイントボックス(右側)内にある電源(非接地側)の電線接続点「●」まで線を引きます。
  8. ジョイントボックス(左側)を通過するランプレセプタクル「イ」の非接地側電線と、電源線の非接地側に接続点「●」を設けます。
  9. 丸型引掛シーリングの点滅回路を書く次に、丸型引掛シーリング「イ」の非接地側と、ジョイントボックス(左側)内にあるランプレセプタクル「イ」(非接地側)の電線接続点とを線で結びます。
  10. 接地工事接地コンセントにはD種接地工事が必要ですので、接地コンセントから下方の設置個所(施工省略)まで1本の線を引きます。
  11. 候補問題No.9の複線図が完成これで一応、候補問題No.9の複線図は完成です。この複線図を参照すれば技能試験の作品を作ることができるのですが、実際のところ、どこに何色の電線を接続すればよいのか分かりません。電線の色別を分かりやすくするには、電線をケーブル単位でひとくくりにする必要があります。
  12. 施工条件にもよりますが、電線2本はケーブルの2心、電線3本はケーブルの3心を使用しますので、上記複線図のようにケーブル単位で電線を囲んでください。

以上で候補問題No.9の複線図は完成です。最初のうちは、本ページで説明している複線図の書き方がほとんど理解できないと思います。何回も複線図を書く練習をすれば自ずとポイントが掴め、短時間で複線図が書けるようになります。

複線図が書けるようになったら、次の段階に進みます。次の段階とは、接続すべき電線の色を複線図に書き込む作業です。本ページで書いた複線図は単色で、どこにどの色の電線を接続したらいいのか分かりません。次ページでは、接続すべき電線の色を複線図に明記していきたいと思います。