候補問題 No.5

技能試験の候補問題 No.5の単線図から、一つ一つ順番を追って複線図の書き方を説明しますので、第二種電気工事士 技能試験を受験される際の参考にしてください。

候補問題 No.5の単線図電源100V回路と電源200V回路の2種類が用いられた回路です。候補問題 No.4と似ていますが、電源200V回路は三相ではなく単相です。電源100V回路の電源側には、コンセント回路、スイッチ「イ」による蛍光灯「イ」(施工省略)の点滅回路、スイッチ「ロ」によるランプレセプタクル「ロ」の点滅回路があります。電源200V回路には接地極付きの20V250Vコンセントが設置されており、D種接地工事が必要です。

複線図の書き方

候補問題 No.5の複線図の書き方を順番に解説していきます。

  1. 複線図にジョイントボックスと電源を配置する公開された候補問題 No.5の単線図の配置通りに、ジョイントボックスを書きます。ジョイントボック内には電線接続点を設けますので、図記号の代わりに大きめの丸い円を書いてください。配線用遮断器「B」、過負荷保護付漏電遮断器「BE」、及び接地端子については5極の端子台が代用品として用いられますので、複線図の左上に端子台を追加してください。
  2. 複線図に配線器具等を配置するさらに、ランプレセプタクル「ロ」、20V250Vコンセント(接地極付き)、スイッチ2個(「イ」「ロ」)、コンセント2個を追記します。コンセントは2種類ありますので技能試験の際に間違って配線しないよう、左側のコンセントの横には接地極付き意味する“E”を記載します。
  3. 接地側(電源)の電線を複線図に書く複線図は、接地側の電線を書くことから始めます。まず、端子台のN極(電源接地側)からジョイントボックス内を経由し、蛍光灯「イ」(施工省略)の接地側まで真っすぐ線を引きます。
  4. ジョイントボックスを通過する線には電線接続点「●」を設け、電線接続点「●」とコンセントの接地側、電線接続点「●」とランプレセプタクル「ロ」の接地側とを線で繋ぎます。
  5. 蛍光灯(施工省略)の点滅回路を書く次に書くのは、蛍光灯「イ」(施工省略)の点滅回路の非接地側です。蛍光灯「イ」(施工省略)からジョイントボックスを経て、スイッチ「イ」まで線を引きます。さらにスイッチ「イ」からジョイントボックス内を経由し、端子台のL極(電源非接地側)まで線を引きます。
  6. ジョイントボックス内の蛍光灯「イ」(施工省略)の非接地側電線と電源線(非接地側)には電線接続点「●」を設けます。
  7. ランプレセプタクルの点滅回路を書く今度はランプレセプタクル「ロ」の点滅回路を書きます。ランプレセプタクル「ロ」とスイッチ「ロ」間を線で結び、スイッチ「ロ」とスイッチ「イ」を渡り線で結びます。
  8. ジョイントボックスを通過するスイッチ「ロ」の接地側電線には電線接続点「●」を設けてください。
  9. コンセント回路を複線図に書くコンセント回路に関しては、コンセントの非接地側とスイッチ「ロ」間を渡り線で繋ぎます。
  10. 単相200V部分の複線図最後は、200V回路部分の複線図です。端子台の端子(200V)から接地極付きコンセントまでそれぞれの極を2本の線で結びます。
  11. 接地回路を追加そして、200V端子台の接地極「ET」からコンセントの接地極まで1本の線(接地線)を引きます。
  12. 候補問題No.5の複線図が完成これで一応、候補問題No.5の複線図は完成です。この複線図を参照すれば技能試験の作品を作ることができるのですが、実際のところ、どこに何色の電線を接続すればよいのか分かりません。電線の色別を分かりやすくするには、電線をケーブル単位でひとくくりにする必要があります。
  13. 施工条件にもよりますが、電線2本はケーブルの2心、電線3本はケーブルの3心を使用しますので、上記複線図のようにケーブル単位で電線を囲んでください。

以上で候補問題No.5の複線図は完成です。最初のうちは、本ページで説明している複線図の書き方がほとんど理解できないと思います。何回も複線図を書く練習をすれば自ずとポイントが掴め、短時間で複線図が書けるようになります。

複線図が書けるようになったら、次の段階に進みます。次の段階とは、接続すべき電線の色を複線図に書き込む作業です。本ページで書いた複線図は単色で、どこにどの色の電線を接続したらいいのか分かりません。次ページでは、接続すべき電線の色を複線図に明記していきたいと思います。