候補問題 No.5の複線図に電線の色を書く
前ページでは候補問題No.5の複線図の書き方を説明しましたが、出来上がった複線図の線の色は単色で、どこの何色の電線を繋げばよいか全くわかりません。そこで、これから前ページで書いた複線図に、以下の施工条件と基本ルールに従って、接続すべき電線の色を追記していきます。
- 施工条件
- 電源からの接地側電線は全て「白色」
- 100V回路の電源からスイッチ、コンセントまでの非接地側電線は全て「黒色」
- 接地線は「緑色」
- コンセント、ランプレセプタクル、配線用遮断器(端子台:N極)の接地側は「白色」
- 基本ルール
- 器具の非接地側は「黒色」(色別を問われない例外もある)
- スイッチの接地側は「白色」(色別を問われない例外もある)
- 「赤色」に関しては接地側・非接地側のどちらにも使用可能(但し、電源線は除く)
基本的に、ケーブル2心には「黒色」と「白色」の電線2本が、ケーブル3心には「黒色」、「白色」、及び「緑色」の電線3本が使用されます。このページでは電線の色を分かりやすくするためカラーで記載していますが、実際の電気工事士 技能試験では電線の横に「黒」「白」「緑」と記載するなり、ペンで色付けするなり、各自が工夫して線の色を複線図に明記してください。
- 施工条件により電源からの接地側電線は全て「白色」ですので、100V回路の電源(接地側:N極)と、コンセント、ランプレセプタクル「イ」、蛍光灯「イ」間の接地側電線は白色となります。
- 施工条件により電源からの非接地側電線は「黒色」ですので、100V回路の電源電源(非接地側:L極)とスイッチ「イ」間の非接地側電線は黒色となります。また、スイッチ「イ」とスイッチ「ロ」間の渡り線、スイッチ「ロ」とコンセント(非接地側)間の渡り線も黒色です。
- 基本ルールに則ると、スイッチ「イ」の接地側は白色、蛍光灯「イ」(施工省略)の非接地側は黒色です。
- スイッチ「ロ」・コンセントとジョイントボックス間はケーブルの2心で、施工条件に従ってコンセントの接地側電線に「白色」が使われています。基本ルールに従うとスイッチの接地側は「白色」ですが、今回のように色別を問われない例外もありますので、スイッチ「ロ」の接地側電線は黒色となります。ランプレセプタクル「ロ」の非接地側電線に関しては黒色です。
- この候補問題No.5においては、200V部分における接地側・非接地側の区別が施工条件で指定されていません。どちらか一方を白色、他方を黒色にします。端子台の接地端子「ET」とコンセントの接地極を結ぶアース線(接地線)の色は緑色となります。
- あとはジョイントボックス内における電線相互の接続方法を明記します。昨年度の電気工事士 技能試験の施工条件によると、ジョイントボックス内における電線4本の接続には差込型コネクタが、それ以外はリングスリーブによる接続が指定されています。技能試験の作品を施工する際、間違えて接続しないよう指定された接続方法を複線図に分かりやすく記入してください。
- 候補問題 No.5においては、電線の色別を問われない箇所があります。上記複線図の水色の線が該当しますのでご参照ください。
以上が候補問題No.1の複線図に電線の色を書き込む手順です。最初に施工条件に従って電線の色を明記し、次に基本ルール則って電線の色を複線図に書き込んでください。電源の接地側は「白色」、電源の非接地側は「黒色」の原則がありますので、自ずと残った色が答えとなるのです。