候補問題 No.4の複線図に電線の色を書く

前ページでは候補問題No.4の複線図の書き方を説明しましたが、出来上がった複線図の線の色は単色で、どこの何色の電線を繋げばよいか全くわかりません。そこで、これから前ページで書いた複線図に、以下の施工条件と基本ルールに従って、接続すべき電線の色を追記していきます。

施工条件
100V回路の電源からの接地側電線は全て「白色」
100V回路の電源からスイッチ、コンセントまでの非接地側電線は全て「黒色」
200V回路の電源からの配線は、R相が「赤色」、S相が「白色」、T相が「黒色」
コンセント、ランプレセプタクル、引掛シーリング、配線用遮断器(端子台)の接地側は「白色」
三相電源のS相は接地されているものとし、電源表示灯(ランプレセプタクル)はS相とT相間に接続
基本ルール
器具の非接地側は「黒色」(色別を問われない例外もある)
スイッチの接地側は「白色」(色別を問われない例外もある)
「赤色」に関しては接地側・非接地側のどちらにも使用可能(但し、電源線は除く)

基本的に、ケーブル2心には「黒色」と「白色」の電線2本が、ケーブル3心には「黒色」、「白色」、及び「赤色」の電線3本が使用されます。このページでは電線の色を分かりやすくするためカラーで記載していますが、実際の電気工事士 技能試験では電線の横に「黒」「白」「赤」と記載するなり、ペンで色付けするなり、各自が工夫して線の色を複線図に明記してください。

  1. 電源線(接地側)の色を複線図に追記施工条件により電源からの接地側電線は全て「白色」ですので、100V回路のN極(電源接地側)と、コンセント、引掛シーリング「イ」間の接地側電線は白色となります。
  2. 電源線(非接地側)の色を複線図に追記施工条件により電源からの非接地側電線は「黒色」ですので、100V回路のL極(電源非接地側)とスイッチ「イ」間の非接地側電線は黒色となります。スイッチ「イ」とコンセント(非接地側)間の渡り線も電源の非接地側ですので黒色です。
  3. 引掛シーリングの点滅回路に電線の色を書くスイッチ「イ」・コンセントとジョイントボックス(右側)間はケーブルの3心が用いられ、施工条件に従って電源からの接地側電線に「白色」、電源からの非接地側電線に「黒色」が使われています。従って、スイッチ「イ」の接地側は赤色となります。また、基本ルールにより、引掛シーリング「イ」の非接地側は黒色です。
  4. 200V三相回路に電線の色を明記施工条件で200V回路の電源からの電線の色は指定されています。R相が赤色、S相が白色、T相が黒色です。
  5. ランプレセプタクルの常時点灯回路に電線の色を書く施工条件では200V回路(三相電源)のS相が接地されていますので、ランプレセプタクルの接地側が白色、非接地側が黒色です。
  6. 複線図に電線相互の接続方法を明記あとはジョイントボックス内における電線相互の接続方法を明記します。昨年度の電気工事士 技能試験の施工条件によると、左側のジョイントボックス内における電線相互の接続には差込型コネクタが、右側のジョイントボックス内における電線相互の接続にはリングスリーブが指定されています。技能試験の作品を施工する際、間違えて接続しないよう指定された接続方法を複線図に分かりやすく記入してください。

以上が候補問題No.4の複線図に電線の色を書き込む手順です。最初に施工条件に従って電線の色を明記し、次に基本ルール則って電線の色を複線図に書き込んでください。電源の接地側は「白色」、電源の非接地側は「黒色」の原則がありますので、自ずと残った色が答えとなるのです。