9.金属管工事部分
金属管、ねじなしボックスコネクタ、ボックス、ロックナット、絶縁ブッシング、及びねじなし絶縁ブッシングを用いた金属管工事における欠陥の例です。
9-1.構成部品が正しい位置に使用されていないもの
電気工事を行う場合、電線が通線された状態で全ての構成部品(金属管、ロックナット、絶縁ブッシング など)が正しい位置に使用されていなければいけません。ロックナットがアウトレットボックスの外側にあったり、ボックスと金属管が未接続だったりと、構成部品が使用目的通りに正しい位置に使用されていないと欠陥となります。
9-2.構成部品間の接続が適切でないもの
イ.「管」を引っ張って外れるもの
ねじなしボックスコネクタのネジをねじ切っていない場合、金属管を引っ張るだけで外れる場合があります。ねじなしボックスコネクタのネジをねじ切ることにより、適正なトルクで確実に「菅」と接続することができます。
ロ.「絶縁ブッシング」が外れているもの
ねじなしボックスコネクタの金属部分がむき出しであれば、中に通した電線の被覆と金属部分が擦れ、被覆が傷つく場合があります。電線の被覆を傷つけないよう、ねじなしボックスコネクタの先端に合成樹脂製の絶縁ブッシングを取り付けます。絶縁ブッシングは手で締めこんでください。プライヤー等で締めこむと割れる原因となります。
ハ.「管」と「ボックス」との接続部分を目視して隙間があるもの
アウトレットボックスにねじなしボックスコネクタを取り付ける際、ロックナットの締め込みが緩いと、ねじなしボックスコネクタとアウトレットボックス間に隙間が生じる場合があります。ロックナットは手で締めこんだ後、ウォーターポンププライヤーを使ってさらに締めこんでください。
9-3.「ねじなし絶縁ブッシング」又は「ねじなしボックスコネクタ」の止めねじをねじ切っていないもの
ねじなしボックスコネクタの止めねじをねじ切っていない場合は欠陥となります。ねじなしボックスコネクタと金属管の接続を確実なものとするため、止めねじをドライバー等でねじ切って施工してください。
ねじなし絶縁ブッシングは、ねじなし電線管の端に取り付け、電線の絶縁被覆を保護するために使います。ねじなし絶縁ブッシングの止めねじは、金属管との接続を確実なものとするため、ドライバー等でねじ切る必要があります。(近年の電気工事士 技能試験において、ねじなし絶縁ブッシングが使用された実績はなし)
9-4.ボンド工事を行っていない又は施工条件に相違してボンド線以外の電線で結線したもの
「金属管とボックスを電気的に接続する」という条件が明記されている場合、相互をボンド線で電気的に接続しなければいけません。IV線(ビニル絶縁電線)など、ボンド線以外の電線を用いた場合は欠陥となります。
9-5.ボンド線のボックスへの取り付けが適切でないもの
イ.ボンド線を引っ張って外れるもの
ねじなしボックスコネクタに接地用の端子が、アウトレットボックス側にはボンド線用のネジがありますので、これらの部分にボンド線を挿入し、しっかりとネジで締め付けまてください。技能試験の判定員がボンド線を引っ張って外れた場合は不合格です。
ロ.巻き付けによる結線部分で、ボンド線をねじで締め付けていないもの
アウトレットボックス側にあるボンド線用のネジにねじ止めしますが、右巻きでしっかりと締め付けてください。(ネジを締め付けすぎてネジ穴を破損させないように注意してください。)
ハ.接地用取付ねじ穴以外に取り付けたもの
ボンド線をロックナットや絶縁ブッシングで固定したり、アウトレットボックスのボックスカバー取付用ビス穴に取り付けた場合が該当します。
9-6.ボンド線のねじなしボックスコネクタの接地用端子への取り付けが適切でないもの
イ.ボンド線をねじで締め付けていないもの
ボンド線を引っ張って抜けると欠陥です。また、ねじを締め付けすぎてネジ山を傷めないように注意してください。
ロ.ボンド線が他端から出ていないもの
ねじなしボックスコネクタの接地端子からボンド線が出ていないと欠陥となります。
ハ.ボンド線を正しい位置以外に取り付けたもの
ねじなしボックスコネクタの接地端子以外にボンド線を取り付けた場合が該当します。