電気工事士 技能試験を受験された皆様、試験時間内に作品を完成させることができましたか?
もし、試験時間内に作品を完成させることができなかった場合、採点はどうなるのでしょうか?ポイントごとに部分点は貰えるのでしょうか?
本ページでは、技能試験の採点方法について解説します。

技能試験の作品が未完成でも合格できるの?

2017年以前の技能試験の合否は欠陥の種類と個数により判定されており、第一種電気工事士においては「A欠陥」、「B欠陥」、及び「C欠陥」の3種類が、第二種電気工事士においては「電気的に致命的な欠陥・施工上の重大な欠陥」及び「軽微な欠陥」の2種類がありました。作品が未完成、配線・器具の配置の相違、回路の誤り、電線の種類・色別の相違、圧着マークの不適切、著しく電線が損傷している場合は「A欠陥」もしくは「電気的に致命的な欠陥・施工上の重大な欠陥」に該当し、それらの欠陥が1つでもあれば不合格となっていたのです。

絶縁ブッシングの未使用やケーブル外装の剥きすぎは「B欠陥」、「C欠陥」、もしくは「軽微な欠陥」に該当し、規定の個数内であれば技能試験に合格できたのです。この点がある意味、部分点といえるのかもしれません。

現在の技能試験の合格基準は「欠陥がないこと」です。欠陥が1つでもあれば不合格なので、部分点という概念は存在しません。

技能試験終了時、作品が未完成であれば欠陥ですので、その時点で不合格確定となるのです。当然、判定員は未完成の作品を見た瞬間、欠陥ありの評価をします。判定員に作品を審査してもらうには、最低限の条件を満たす必要があります。その条件は制限時間内に作品を完成させることです。作品を完成させないと審査の対象にはなりません。

現在の電気工事士試験の制度では、あらかじめ候補問題が公表されます。第二種電気工事士のケースでは技能試験の候補問題13題が公表され、この13題の中から1題が出題されます。どの候補問題が出題されるか試験本番にならないと分かりませんが、出題問題が分かっているのですから試験対策は十分にできます。制限時間内に施工条件を理解し、複線図を描き、そして作品が完成できるよう、技能試験の練習をしっかりしてください。