技能試験で使用する工具

電気工事士 技能試験は、持参した工具や支給された電線・配線器具などの材料を使用し、決められた時間内で作品(簡単な電気の配線)を完成させる試験です。技能試験に最低限必要な工具は7点ですが、電動工具以外の全ての工具を使用することができます。(テスターなどの計測機器は使用不可)

技能試験の受験の際に必要な指定工具は、電工ナイフペンチドライバー(プラス、マイナス)ウォータポンププライヤースケール及びリングスリーブ用圧着ペンチの6種7点です。(第二種電気工事士 技能試験はもちろん、第一種電気工事士 技能試験において出題

一般的には電工ナイフと呼ばれるものが使用されています。電工ナイフは絶縁被覆やケーブルの外装を剥ぎ取ったりと、主に電線の加工に用いられており、電気工事士においては欠かせない工具のひとつです。また、梱包材のひもを切ったりと、本来の用途以外にも使用されます。

電工ナイフは安全のため、先端が尖っていないものを選んでください。折り畳み可能なものやケース付きのものを選ぶと、持ち運びに便利ですよ!

デンコーマック

未来工業の電工ナイフ「デンコーマック」です。ベルト掛けができるケース付きなので、電工ナイフの出し入れがスムーズに行えます。片手でさっと抜いて、さっと収納。ロック機構付きなので、ケースに収めておけば落ちることもありません。

ホールド感のあるゴム製のグリップで切れ味もグッドですから、長時間の作業になりがちな電気工事士の皆様にもおすすめの工具です。

ペンチ

ペンチの主な用途は電線を切断することですが、電線の接続時や電線の曲げ加工、配線器具にネジ止めするための輪の作成など、用途は多種多様です。

ペンチのサイズにもさまざまなものがありますが、技能試験や一般屋内配線工事などでは全長150mmもしくは175mmのものが手頃だといわれています。極端に大きなものや、小さすぎるものは選ばないようにしましょう!

フジ矢 ペンチ

ペンチの値段は、切れ味と刃の耐久性に比例するといってもいっても過言ではありません。同サイズのペンチを比較した場合でも、高価なものほどらくらくと大きな電線も切断できます。また、刃の耐久性も抜群で、使い方を間違えなければ長年使用することも可能です。

プロ用ペンチでは、国内トップシェアを誇る工具メーカーのフジ矢が有名です。

ドライバー(プラス、マイナス)

電工ドライバー(プラス)

配線器具と電線とのネジ止めや、ボックスなどを造営材に取り付けるための木ネジにはプラスのものが多く使われています。プラスドライバーの用途は、主にそれらのネジを締め付けることです。

電気工事士は握り部分が大きい電工ドライバーと呼ばれるものをよく用いています。電工ドライバーは、柄が握りやすく、手にフィットする形状をしています。

電工ドライバー(マイナス)

マイナスドライバーはネジを締めることだけの工具ではありません。連用取付枠にコンセントやスイッチなどの埋込連用器具を取り付けたり、マイナスドライバーの先端を配線器具のはずし穴に差し込んで電線を抜いたりと、技能試験ではプラスドライバー以上に大活躍の工具です

電工ドライバーは感電対策として、握り手部分が絶縁体で覆われています。そのため、貫通ドライバーのようにハンマーで叩いて使うことはできません。

リングスリーブ用圧着ペンチ

リンススリーブを用いて電線相互を圧着接続するときに使用するペンチの一種です。

技能試験においては、圧着したときにJIS C 9711に適合した圧着マーク(○、小、中、大)がリングスリーブに刻印されることが求められています。 圧着ペンチ(圧着工具)にも数種類ありますので、購入するときには間違えないように、左の写真のようにペンチの柄が黄色のものを選んでください。

ウォータポンププライヤー

金属管工事などにおけるカップリングの取り付けやロックナットの締め付け、接地のためのクランプの取り付けなど、ウォーターポンププライヤーの用途は多種多様です。ウォーターポンププライヤの歯と歯の幅は数段階に切り替えることができますので、金属管や金属管用の付属品などの丸いものをガチリと挟むことができます。

技能試験においては、ウォーターポンププライヤーの全長が200mm程度のものがよく使われています。

スケール

メジャー

メジャーは、電線を切断するときの切断長さや、電線の絶縁被膜を剥ぎ取るときの剥ぎ取り長さを測定するために使います(実際の技能試験においては、配置位置や寸法は極端に長かったり短かったりしなければ良いので、メジャーで正確に計る必要はありません)。

直尺

一度でも電気工事士試験を受験されたことがある方にはご理解いただけると思いますが、試験会場の机の作業スペースはかなり狭いです。ですから、場所をとる巻尺よりは平らな直尺を使用したほうが、狭い作業スペースを有効に活用できるかもしれませんよ!?

布尺

布尺を両面テープなどで机に貼り付けておくと、ケーブルの採寸時に便利です。技能試験の開始前に布尺を机に貼り付けると不正行為の疑いを招く可能性がありますので、試験開始の合図があってから行ってくださいね。

電気工事士技能試験工具セット 基本工具一式

第一種電気工事士及び第二種電気工事士に必携の基本的な工具とVVFストリッパー(P-737)が入ったセットです。必要な工具が全て揃っていますので、はじめて技能試験を受験される方にオススメです。

付属のツールケースは収納だけではなく、腰袋としても利用できます。ベルトを巻いて着席すれば狭い作業デスクも有効に活用することができます。

管理人おすすめの工具

現在の技能試験では、以下のような工具も使用することができます。

ワイヤーストリッパー

イヤーストリッパーは電線被覆の剥ぎ取り器です。電線の絶縁被覆をワンタッチで剥ぎ取ることができますので、試験時間の短い技能試験においては欠かすことの出来ない工具となっています。

電線の太さに対応した切り刃を使用しないと芯線に傷が付くことがありますので、使用時には注意が必要です。

VA線ストリッパー

このワイヤーストリッパーは電線の絶縁被覆だけでなく、VVFケーブルの外装まで剥ぎ取ることができる優れものです。

今まで電工ナイフで剥いでいたVVFケーブルの外装もワンタッチで剥ぐことができますので、作業時間の大幅な短縮をすることができます。ケーブル外装の固いエコ電線も、軽い力でストリップできます。

ホーザン VVFストリッパー

この工具の一番の特徴は、先端部にあります。VVFストリッパーの先端部はラジオペンチのように細い形状をしていますので、今まで苦労していた配線器具にネジ止めするための「の」の字曲げ加工も簡単にできます。さらに外装用のストリップ刃や心線用のストリップ刃も付いており、ペンチ、ラジオペンチ及びワイヤーストリッパーの機能が付いた究極の工具であるといえます。

エコ電線もきれいに切れますので、技能試験においても大活躍することでしょう!