「第二種電気工事士試験には上期試験と下期試験の2種類があるけど、両方受験できるの?」「どちらの試験が簡単で、合格しやすいの?」
電気工事士試験を受験される方、どちらの試験を受験したら良いのか迷っているのではないでしょうか。
今回は、上期試験と下期試験のどちらを受験したら良いか、徹底解説します。
上期試験と下期試験、両方受験できるの?
第二種電気工事士試験は2010年(平成22年)まで年1回実施されていました。その翌年の2011年(平成23年)、試験制度が変更され、上期試験と下期試験の年2回実施されるようになりました。
年度により若干前後しますが、上期試験の受験申込受付期間は3月中旬から4月上旬、下期試験は7月上旬から7月中旬です。上期試験と下期試験で受験申込申込期間は異なりますが、両方の試験を受験することはできません。(2018年度から試験実施方法が変更になり、第二種電気工事士の上期試験及び下期試験の両方の受験が可能となりました。)
どちらの試験を受験した方が有利なのか?
筆記試験は出題される問題が異なるだけですが、技能試験は計13題の候補問題から出題されます。2011年(平成23年)から2015年(平成27年)までの期間においては、上期の技能試験が土曜日と日曜日の計2日、下期試験が1日のみ実施されており、それぞれの日程ごとに問題が異なっていました。
「計13題の候補問題の内、上期試験において既に2題出題されているから、下期試験は出題されなかった11題について練習しておけばよいや」と考えがちですが、そうでもありません。何故なら、2016年(平成28年)の技能試験から地域ごとに異なる問題、計13題全てが出題されるようになったからです。
ですから、上期試験と下期試験、どちらの第二種電気工事士試験を受験しても有利になることはありません。
下期試験より上期試験の方が合格率が高い?
下記の表が上期試験と下期試験における合格率です。
年度 | 上期試験 | 下期試験 | ||
---|---|---|---|---|
筆記試験 | 技能試験 | 筆記試験 | 技能試験 | |
2011年 | 65.0% | 69.2% | 42.5% | 71.2% |
2012年 | 58.2% | 71.8% | 42.6% | 65.5% |
2013年 | 63.0% | 78.1% | 60.5% | 67.8% |
2014年 | 62.2% | 75.4% | 42.9% | 68.9% |
2015年 | 62.5% | 71.8% | 51.6% | 67.9% |
2016年 | 65.2% | 74.1% | 46.4% | 71.3% |
結論は、筆記試験においても、技能試験においても「合格率は上期試験の方が高い!」ということです。
「何故なのでしょうか?」
「やはり下期試験の方が問題が難しいのでしょうか?」
「そんなことはありません。」
第二種電気工事士試験の受験者の年齢層と職業が、上期試験と下期試験では異なるのです。
電気技術者試験センターが公開している平成28年電気技術者試験受験者実態調査では、上期試験の受験者の内、10代が30%弱に対し、下期試験では20%弱です。また、上期試験を受験した学生は25%弱に対し、下期試験は15%弱です。
上期試験は工業高等学校等の学生が多く、下期試験は就業者の割合が高くなる。学生に比べて就業者は勉強時間が確保しにくい、この辺が合格率の差としてあらわれるのではないでしょうか?
いかがでしたか?
今回は、上期試験と下期試験のどちらを受験したら有利かということを解説しました。結論としては、どちらの電気工事士試験を受験しても大差ないということです。上期試験と下期試験のどちらを受験しようかと迷った際は参考にしてくださいね。