ギボシ端子のかしめや圧着、配線コードの切断、絶縁被覆の剥ぎ取りなど、自動車業界で広く利用されている電工ペンチがあります。電気工事士 技能試験において、この電工ペンチはリングスリーブの圧着に使用できるのでしょうか?

ギボシ端子用の電工ペンチは圧着ペンチとして使えるの?

リングスリーブの圧着においては、JIS C9711:1982・1990・1997に適合する圧着マークが刻印されることが求められます。また、JIS C9711に適合する屋内配線用電線接続工具には、以下の事柄が規定されています。

ギボシ端子用の電工ペンチギボシ端子用の電工ペンチには成形確認機構もついていませんし、圧着後の刻印(○、小、中、大)もされませんので、電気工事に使用することはできません。

電気工事に使用できる圧着ペンチは、JISの「屋内配線用電線接続工具・手動片手式工具・リングスリーブ用」(JIS C9711:1982・1990・1997)の規格のものです。圧着ペンチの握り部分が黄色のものが該当しますが、海外製のリングスリーブ圧着工具の中に適合しない商品も存在します。

ギボシ端子用の電工ペンチはもちろん、JIS C 9711に適合していない圧着ペンチを電気工事士 技能試験に使用した場合は欠陥の対象になります。電気工事 技能試験は当然、実際の電気工事においても、必ずJIS C9711に適合する圧着ペンチをご使用ください。