電気計算に三角関数は必須?

文系出身の方の中には、
「三角関数って何?聞いたこともない!」
と物申す方もいますが、理系出身の方にとっては「もう見るのも嫌!」と嘆くほど三角関数の公式や計算が授業で出てきたと思います。

管理人も学生時代、
「この三角関数って、何の役に立つの!」
と思いながら勉強してきましたが、学年が上がるに連れ、設計や力学などのあらゆる工学系科目で三角関数が出てきました。

三角関数は電気の計算でもよく使われており、sin(サイン)は正弦波交流の計算に、cos(コサイン)は有効電力を求めるとき、tan(タンジェント)は交流回路の位相角を求めるときなどに使用されています。特に電源として正弦波交流を扱う問題が多い交流回路の計算においては、三角関数が必須となっています。三角関数は応用範囲が広く、交流回路の計算のほか、電磁気学、配線電路の電圧降下など、さまざまな電気の計算で用いられています。

三角関数にはsinθ、cosθ、tanθ、cosecθ、secθ、cotθ...などがありますが、覚えてもらいたいのはsincostanです。電気工事士試験を受験される方は、その以外に下記の公式と三角比の値を完全にマスターしてください。三角関数は直角三角形の辺の長さの比

三角関数の公式
sin2θ + cos2θ = 1
三角比の値
sin30°= 1/2
sin45°= √2/2
sin60°= √3/2
sin90°= 1
cos30°= √3/2
cos45°= √2/2
cos60°= 1/2
cos90°= 0

電気工事士試験なら上記の公式で十分対応できます。ところが、第三種電気主任技術者試験の合格を目指すとなると、さらに以下の公式を最低限知っておく必要があります。それは半角の公式と加法定理です。

半角の公式
sin2(α/2) = (1 - cosα) / 2
cos2(α/2) = (1 + cosα) / 2
加法定理
sin (α + β) = sinα・cosβ + cosα・sinβ
sin (α - β) = sinα・cosβ - cosα・sinβ
cos (α + β) = cosα・cosβ - sinα・sinβ
cos (α - β) = cosα・cosβ + sinα・sinβ

第三種電気主任技術者試験や第二種電気主任技術者の受験時、管理人が覚えた三角関数の公式はこの程度です。将来、電気工事士試験より難しい電気系の資格試験に挑戦するなら、この程度の公式を覚えておいても損することはありません。その他にも、複素数やベクトルといった数学の知識が必要となりますので、しっかりと勉強をしておいてください。