電気工事士試験の問題用紙は最後まで読もう!
これから資格試験を受験される方へのアドバイス、「問題用紙の注意事項と問題文は最後まで読みましょう!」です。
問題用紙の注意事項は最後まで読もう!
学生時代に恩師から「数字の“1”と“1.0”は全然違う」ということをよく聞かされてきました。実験のレポート提出時に測定電流値は1Aというようなレポートを提出しようものなら、即刻レポートの再提出をさせられたものです。
皆さんは何が違うかわかりますか?
精度が違うんです。
科学や工学では有効数字が明示的に示されなかった場合、誤差の範囲は最小有効桁の半分とみなされます。つまり、“1 ”には±0.5の誤差が、“1.0”には±0.05の誤差があることになりますので、それぞれの数字が示す範囲は0.5以上1.5未満、0.95以上1.05未満となります。
“1”と“1.0”の数字の示す範囲、言いかえれば精度がかなり違うでしょう!
第二種電気主任技術者の二次試験やエネルギー管理士試験では、「有効数字何桁まで求めること」と問題用紙に明記されています。管理人は2回目の第二種電気主任技術者の二次試験を受験する直前まで、「有効数字何桁まで求めよ」と問題用紙の注意事項に記述されているのを知りませんでした。知らなかったので1回目の二次試験は完敗でした。(これが不合格の直接の原因ではないのですが...)
もし、有効数字が3桁と指定されているなら途中の計算過程は小数点以下4桁、もしくは5桁まで計算するようにしてください。有効数字を少なくして概算すると誤差が大きくなります。例えば消費電力を求める問題で、510Wという計算結果が出たとします。回答の選択肢が500W、1,000W、1,500W...であれば、正解は500Wであると容易に想像できます。ところが回答の選択肢が500W、520W、540W...であればどうでしょうか?
有効数字を増やして計算しないと、答えは導けませんよね♪
問題文は最後まで読もう!
問題文を最後まで読まないと何が起こるんでしょか?
例えば、第二種電気工事士の筆記試験で以下の問題が出題され、問題文を途中までしか読まなかったとします。
問題文「電気工事士免状に関する記述として...」
- 電気工事士免状は、都道府県知事が交付する。
- 都道府県知事は、電気工事士が電気工事士法施行令又は電気用品安全法 第二十八条第一項の規定に違反したときは、電気工事士免状の返納を命ずることができる。
- 第二種電気工事士免状の交付を受けた日から五年以内に、自家用電気工作物の保安に関する講習を受けなければならない。
- 電気工事士免状の交付、再交付、書換え及び返納に関し必要な事項は、省令で定める。
正解は分かりますか?
正解は(1)です。(3)が正解のようにみえますが、(1)以外は全て間違いなのです。
ちなみに上記設問の問題文は「電気工事士免状に関する記述として、適切なものは?」です。
問題文を最後まで読まないと適切なものを選ぶのか、誤っているものを選ぶのか分からないでしょう!
管理人も問題を最後まで読まずに解答してしまう癖があります。「適当でないものを選びなさい」という問題なのに、合っている選択肢を選んでしまったりと。この癖さえなければ合格点に達していた資格試験はいくつもあります。
どんなに資格試験の勉強を頑張って知識をつけても、問題文を正しく理解できなければ正解できません。まずは「問題を最後まで読む」ことを習慣化してください。
ちなみに、(2)は電気工事士法施行令が誤りで、正しくは電気工事士法、(4)は省令が誤りで、正しくは政令です。