複線図とは?

電気工事士 技能試験において出題される配線図は単線図であり、電気的な接続は示されておりません。そこで、電気的な配線や電線の接続箇所を把握するため、複線図に直す必要があります。単線図から複線図に直すこと自体はそれほど難しくなく、ちょっとしたコツをつかめばパズルを解くような感覚で考えることができます。それでは、これからその単線図を元に、複線図の書き方について解説したいと思います。

複線図の書き方

技能試験の問題用紙に書かれた単線図では、電線の配置やリングスリーブの接続点がよく分からないと思います。そこで、電気の流れる道を詳細に書いた電気回路図「複線図」が必要となります。

複線図を書けなければ電気工事士試験に合格できない!といっても過言ではありません。
(単線図を見ただけで全てを理解できる人は別です!)
それでは実際に複線図を書いてみましょう!

ジョイントボックスと配線器具を書くまず最初に電線以外の部品、スイッチ(点滅器)、コンセント、ランプレセプタクル、引掛シーリングを書きます。中央の円はジョイントボックスです。

これから単線図を参考にし、施工条件に適合するよう電線を複線図に書いていきます。

電源から器具への接地側電線を書く電線は、接地側から書きます。電源を起点とし、スイッチ以外の各器具を線で結びます。各器具とは、コンセント、ランプレセプタクル、及び引掛シーリングのことです。電源から1本の線を水平に伸ばし、ランプレセプタクルにつなぎます。

施工条件で「ジョイントボックスを経由する電線はジョイントボックス内で全て接続箇所を設けること」となっていますので、先程引いた線に電線接続点を設けます。電線接続点はジョイントボックス内に設け、「●(黒丸)」で塗りつぶします。

この電線接続点から上方向に線を引き、角形引掛シーリングとつなぎます。同様に、電線接続点から下方向に線を引き、コンセントとつなぎます。これらの線は全て接地側となり、白色の電線で器具と接続することになります。

複線図に器具の点滅回路を追加次に、複線図にランプレセプタクルと引掛シーリングの点滅回路を追加します。電源からジョイントボックスを経由し、スイッチへとつなぎます。もう一方のスイッチの端子からジョイントボックス内を経由し、引掛シーリングの非接地側へと線を引きます。ジョイントボックス内を経由する線に電線接続点を設け、この電線接続点とランプレセプタクルの非接地側を線で結びます。

複線図にコンセント回路を追加今度は、コンセント回路の非接地側を書きます。スイッチの非接地側からわたり線”を出し、コンセントの非接地側へと線を引きます。

これで複線図の90%は完成です。電源の非接地側から接地側に向かって電流が流れると仮定し、複線図をチェックしてください。
電源の非接地側から各器具をたどると、電源の接地側に戻りますか?
回路は短絡していないですか?
電気的に接続されていますか?

複線図に電線の色を明記最後に電線の色を複線図に記入します。原則として、電源からの接地側電線は白色電源から点滅器・コンセントまでの非接地側電線は黒色です。赤色は前記以外の箇所で使用できます。

以上で複線図が完成です。この複線図を基に、これから技能試験の配線作業を進めていきます。