電工ナイフ
電工ナイフは、ペンチ、ドライバーとともに電気工事士 技能試験はおろか、電気工事には欠かせない必携工具の一つです。絶縁電線の被覆やケーブル外装を剥ぎ取ったりするのに必要不可欠な電工ナイフは、自分の手にフィットするものを選びたいものです。
現在の電気工事士 技能試験では、電動工具以外の工具は何でも持ち込み可能です。しかし、電工ナイフの代わりにカッターナイフを使用するのはあまりオススメしません。カッターナイフは電工ナイフに比べて切れ味が鋭く、ちょっと手元が狂えば簡単に電線を傷をつけてしまいます。
余談ですが、試験中にカッターナイフで手を切って、出血が止まらずに途中退出した人もいるそうですよ!
管理人愛用の電工ナイフ
管理人の愛用する電工ナイフは、未来工業のデンコーマックです。刃の折り畳みが不要で、ケース付きなのでナイフの出し入れがスムーズに行えます。グリップは握りやすくフィット感のある滑りにくいゴム製です。
VVFケーブルの割線と皮むき機構も付いていますが、管理人はこの機構は使ってません。ワイヤーストリッパーを使用するほうが便利だからです。自分愛用の電工ナイフを使いこなして技能試験に挑みましょう!
VVFケーブルの外装剥ぎ取り(皮むき)
VVFケーブルをまっすぐにし、ケーブル外装を剥ぎ取る位置に電工ナイフの刃を入れます。
電工ナイフを持った右手は固定し、VVFケーブルを左手で回しながら全周にわたって切込みを入れます。
ケーブル外装の中の電線に傷が入らないよう、外装の肉厚の半分程度まで刃を入れます。
心線間に電工ナイフの刃を入れます。
滑らすように電工ナイフを動かします。
切込みの数ミリ手前まで刃を入れます。
ケーブル外装を引っ張ると簡単に取れます。はずれない場合はペンチで引っ張ってください。
この方法は素早くケーブル外装を剥ぎ取れますが、慣れていないと電線の絶縁被覆まで切ってしまうことがあります。
技能試験前によく練習して下さい!
電線の絶縁被覆剥ぎ取り
電線を接続したり、電気器具の端子に差し込んだりするには電線の絶縁被覆を剥ぎ取らなければなりません。現在の電気工事士 技能試験では、ワイヤーストリッパーやVVFストリッパーというとても便利な工具を使用することが出来ます。しかし、ワイヤーストリッパーでは手に負えない短い電線の絶縁被覆を剥ぎ取る場合には電工ナイフに頼るしかありません。
今回は、電気工事の基本中の基本である電線の絶縁被覆の剥ぎ取りを、電工ナイフを使ってやってみたいと思います。電線被覆の剥ぎ取りには鉛筆むきと直角むきの2種類があります。
鉛筆むきについて
鉛筆むきは絶縁被覆の切断面が鉛筆を削ったときのようになります。
電工ナイフを電線の末端とは反対側に寝かせて刃を入れます。
鉛筆を削るように被覆を削ります。
この方法が使えるのは1本の導体で出来た単線だけです。IV線などのより線は柔らかすぎるので鉛筆むきは無理です。直角むきをして下さい。
直角むきについて
直角むきは絶縁被覆の切断面が電線に対して直角になります。
電工ナイフの刃を電線に対して直角に入れます。
電工ナイフを持った右手は固定し、電線を持った左手を動かして絶縁被覆の全周に刃を入れます。
この直角むきは、刃を入れすぎると心線まで傷をつけてしまいますので十分に注意して下さい。なお、心線を損傷させた場合は欠陥となります。
どちらが、直角むきか分かりますか?
正解は、右側が直角むきで、左側が鉛筆むきです。