電気工事士の試験問題漏洩に関する疑惑

平成18年の電気工事士試験制度の改正により、技能試験の候補問題が事前に公開されるようになりました。

候補問題の公開の背景には、ある事件(疑惑)が関わっています。事の発端は平成15年度第一種電気工事士技能試験 2日前の某大手掲示板への書き込みです。掲示板に書き込まれた内容は、技能試験の問題に似かよった情報であり、試験問題が漏洩したのではないかという疑惑が浮き上がったのです。

そのため、試験を実施している財団法人電気技術者試験センターが電気工事士試験漏洩問題に関する専門委員会に調査の要請をし、試験問題の管理に問題がなかったか、問題の漏洩が行なわれた事実がなかったか等の確認が行なわれました。同時に今後の電気工事士試験の実施に当たっての改善策についての検討もされました。

調査の結果、問題の作成や合否の最終判断を行なう電気工事士法上の試験員判定責任者・副責任者及び判定員には秘密保持義務の遵守を起こったたことのないことを確認し、漏洩に結びつく事実は認められませんでした。同時に、材料の製作会社試験問題の印刷会社及び試験の実施業務受託者にも調査が行なわれましたが、試験問題の漏洩に結びつく事実は認められていません。今回の掲示板への書き込みは大手電気工事会社からの漏洩を匂わせるものであったため、大手電気工事会社22社に対して調査が行なわれましたが、全社から試験問題に関する内容を「見聞きしていない」という回答を得ています。

また、掲示板への書き込み内容の技術的分析もされていますが、問題の書き込みは回路の一部に過ぎず、誤った記載もあることから試験問題の漏洩は認められなかったという報告がされています。報告内容は、過去の出題問題、出題傾向、出版社の予想問題などを分析すれば回路や器具を予想することは容易であるとのことです。

調査結果から電気工事士試験漏洩問題に関する専門委員会は、掲示板に書かれた情報は試験問題が漏洩したという疑いに足る事実は認められなかったという結論を出し、調査の過程において試験制度について改善を要するとの提案がなされています。

以上のような背景から試験方法や出題内容が見直され、平成16年度より単位作業試験で使用する材料の公表がされ、平成18年度より技能試験の候補問題が公開されるようになり、現在に至っています。