過去の第二種電気工事士 技能試験においては、電線相互の接続にねじり接続とリングスリーブによる圧着接続が出題されていました。その後、電線相互の接続にはリングスリーブと差込形コネクタが用いられ、“ねじり接続”や“とも巻き接続”は出題されなくなりました。今後、技能試験において、ねじり接続は出題されるのでしょうか?

技能試験で"ねじり接続"は出題されるの?

電気設備に関する技術基準を定める省令の第7条は電線の接続に関して規定しており、「電線を接続する場合は、接続部分において電線の電気抵抗を増加させないように接続するほか、絶縁性能の低下(裸電線を除く。)及び通常の使用状態において断線のおそれがないようにしなければならない。」と定めています。

また、電技解釈(電気設備の技術基準の解釈)の第12条では、省令の第7条に関する内容を以下のように規定しています。

トーチランプによる電線相互のろう付け電技解釈では、「接続部分には、接続管その他の器具を使用し、又はろう付けすること」と定められています。ろう付けとは、“はんだ付け”と同じ手法の溶接(接合)方法で、「ろう」を溶かして接合します。ねじり接続で電線相互を接続する場合、電線の電気抵抗を増加させないよう必ず“ろう付け”を行わなければいけません。

ろう付けは、ろう材(半田)をトーチランプで炙って溶かしながら電線接続部に流し込む手法で、電気的には強力な接続方法です。

しかし、現在の電気工事の現場において“ろう付け”することはほとんどありません。ろう付けの品質を一定に保つにはそれなりの経験が必要ですし、施工に時間もかかります。また、加熱器具を用いるので火傷や火災の危険性があります。

現在はリングスリーブや差込形コネクタなどの接続器具が用いられています。これらの接続器具を使用すると誰が施工しても(有資格者に限るが)ほぼ一定の品質で接続できますし、短時間で電線相互の接続が可能となります。

以上のような理由から、現在の電気工事士 技能試験において、ねじり接続が出題されることはありません。