電気の配線や図面って難しいですよね。ましてや電気関連の工事となったらなおさらです。そんな電気工事の作業を行うために電気工事士という資格があります。本ページでは、電気工事士について簡単にご紹介します。

電気工事士とは?

電気は目に見えないため、きちんとした知識や技能を持った有資格者が電気工事を行わないと、施工ミスにより火災や感電事故といった災害が発生する恐れがあります。そのため、法律により電気工事を行える者を制限して、工事の欠陥による災害の発生を未然に防止しています。

電気工事の行える有資格者を電気工事士といい、住宅や工場などの配線工事を行うためには有資格者の証(あかし)である電気工事士免状が必要となるのです。

電気工事士の2種類の資格

住宅などのほか、工場やビル、中・大規模な店舗の電気工事を行うことができる第一種電気工事士と、住宅や小規模な店舗の電気工事を行うことができる第二種電気工事士の2種類の資格があります。その他にも、特殊な電気工事に携わることができる特種電気工事資格者という資格もあります。

資格の種類の違いは工事のできる範囲で、第二種電気工事士は一般用電気工作物、第一種電気工事士は一般用電気工作物と最大契約電力500kW未満の自家用電気工作物の電気工事に携わることができます。一般用電気工作物は低圧(600ボルト以下)の電圧で受電している場所の電気工作物で、一般住宅や小規模な店舗、事業所などが該当します。また、自家用電気工作物は高圧以上の電圧で受電している事業所等の電気工作物で、ビルや工場等が該当します。

最大契約電力500kW未満の自家用電気工作物に該当する場合は、例え低圧部分の電気工事であっても第一種電気工事士の資格が必要です。第二種電気工事士の資格のみでは電気工事を行うことができません。

電気工事士試験について

一般的には、電気技術者試験センターが実施する電気工事士試験に合格すると資格を取得することができます。電気工事士試験といっても、公認会計士や司法書士試験のように何年もかかって挑戦するような難しい国家試験ではありません。電気の入門資格といわれるだけあって、工学系学科の卒業者であれば2~3ヶ月、それ以外の学科の方でも半年ほどの準備期間で十分に合格圏内に届きます。

電気工事士試験には、配線設計や施工の方法、材料や工具、法令に関する知識があるかを問う筆記試験と、電線の接続や、配線器具と電線との接続などに関する技術があるかを判別する技能試験があります。

筆記試験免除制度もあり、筆記試験の合格者は次回の試験に限り、筆記試験が免除となります。もし、技能試験で不合格になっても、次回の電気工事士試験に限り、技能試験から受験することができます。

技能試験に関しても、以前は指定された工具しか使用することはできませんでしたが、現在では電動工具以外の全ての工具が使用可能となっています。また、あらかじめ技能試験の候補問題が公開されますので、技能試験の対策が立てやすくなっています。

電気工事士免状

第二種電気工事士の免状交付に制限はありませんので、技能試験に合格すればすぐに免状を申請することができます。そして、免状が手元に届けばその日から電気工事を行うことができるのです。但し、第一種電気工事士に限っては3年の実務経験が必要で、技能試験に合格してもすぐに免状交付の申請をすることはできません。

将来性と独立開業に関して

電気工事士免状を取得して、電気工事会社などで技能を身につければ独立することも可能です。電気工事士免状の取得後、すぐに独立開業も可能ですが、ちきんとした技能を身に付けて、さらに上級の資格「電気工事施工管理技士」や「電気主任技術者(電験)」を取得してから独立したほうが施工できる工事の範囲も広がります。

電気工事士は電気の入門資格といっても過言ではありません。さらに上級の資格を目指して収入をアップするのもよし、独立して電気店のオーナーになるのもよし、それはあなたの努力次第なのです。