技能試験の採点は減点方式?

電気工事士 技能試験は筆記試験と異なり、電線が正しく接続されていたら10点、リングスリーブと圧着マークの選定が正しければ10点、合計60点以上で合格というような採点方式ではございません。

現在の技能試験では、欠陥が1個でもあれば不合格です。欠陥の判断基準で最初に明記されている項目は「未完成のもの」、つまり未完成の時点で不合格です。どんなに正確に作品を施工しても、どんなに器具をきれいに配置しても、未完成であれば技能試験は不合格なのです。

技能試験は、作品が完成していることを前提に採点が行われると考えてください。そこから技能試験の欠陥の判定基準に基づいて、審査が行われます。現在の技能試験では、欠陥が1個でもあれば不合格です。技能試験の作品

器具の配置ミスや接続ミスなどのように大きな欠陥は自分でも把握しやすいものです。ところが、ケーブル外装・電線の傷や、器具との結線部分における比較的小さな欠陥は、自己採点してもわかりにくいものです。正直、この手の欠陥の有無は技能試験の合格発表まで分かりません。合格発表後、インターネットで合格者を検索するか、もしくは不合格通知のハガキが自宅に届いて、初めて欠陥があったと自覚するものです。実際、管理人も第二種電気工事士 技能試験はパーフェクトの出来と豪語していました。ところが結果は不合格。不合格通知を突き付けられ、奈落の底に突き落とされた気分でした。

これらとは別に、試験終了と同時に不合格確定となるのが未完成です。電線相互の未接続や器具との未結線が1か所でもあれば未完成扱いとなり、技能試験の終了とともに不合格です。

判定の過程で、小さな欠陥は気付かれないかもしれません。ところが、技能試験の判定員は百戦錬磨のプロの電気工事士、もしくは同等の能力を有する方々です。小さな欠陥やグレーゾーンは見過ごされるかもしれませんが、未完成の作品を見過ごすほど甘くはありません。

技能試験は“きれいさ”を競うテストではありません。減点方式ではなく、欠陥が有るか、無いかの2択でしか評価されないのです。前述したように、どんなにきれいに作品を施工しても、未完成であれば不合格です。きれいに電線を加工することも大事ですが、まずは制限時間内に作品の完成を目指してください。