電線の長さなんて適当でいいのだ!?

例えば、技能試験問題の単線図で、器具とジョイントボックス間の寸法が150mmに指定されていると仮定します。この場合、参考書では、「VVFケーブルをペンチで300mmの長さに切断して、ケーブルの両端の外装を80mm剥いて、心線の長さが20mmになるように電線の絶縁被覆を剥ぐ」などと書かれていることがありますが、はっきりいってVVFケーブルの長さなんか許容範囲内であれば適当でいいんです。VVFケーブルの外装剥ぎ取り

許容範囲、つまり電気工事士 技能試験の欠陥の判定では、「配置、寸法、接続方法等の相違」の項目の中で次のように明記されています。
寸法(器具にあっては中心からの寸法)が、配線図に示された寸法の50%以下のもの

施工条件が150mmの場合、誤差を50%以下にするには、寸法が75mm~225mmの範囲におさまるように施工すれば良いのです。ここで注意してもらいたいのが、器具の中心とジョイントボックスの中心を配線図に示された寸法の50%以下、つまり75mm~225mmの範囲内で配置するということです。VVFケーブルの外装の長さではありませんのでご注意を!

過去の電気工事士 技能試験における寸法相違の合否判断の基準は、著しく相違でした。著しく相違の基準となる寸法誤差の範囲は明確に示されていませんでしたので、合否判断の基準は判定員にゆだねられていたと考えられます。現在の欠陥の判断基準は「配線図に示された寸法の50%以下」と明確に明示されています。技能試験の単線図及び施工条件に示された寸法の50%以下の誤差であれば間違いなく大丈夫のはずです。

管理人は技能試験を合計3回受けています。1回目の第二種電気工事士 技能試験では、参考書のように電線の長さを測ってましたが不合格でした。ちなみに不合格の原因は電線の長さの寸法相違ではございません。リングスリーブの圧着マークの相違です。

2回目の第二種電気工事士 技能試験、3回目の第一種電気工事士 技能試験では、施工条件及び単線図に従ってVVFケーブルを切断する際、長さを大雑把に測ったぐらいです。施工条件が150mmならVVFケーブルを約300mm程度に、施工条件が200mmならVVFケーブルを約350mm程度にカットします。あとはケーブル外装を自分の感覚で50~80mm程度剥いで、心線の絶縁被覆も接続方法や接続機器に合わせて目分量でカット。管理人はこれで合格しました。寸法なんか誤差の目安をおよそ50%以内にすれば目分量でいいのです。

技能試験は時間との戦いです。参考書に記載されている寸法通りに加工してもいいですが、貴重な時間を無駄に使ってしまいsます。短い試験時間を有効に活用するには、無駄な手順を省くことも必要です。実際、本職の電気工事士はVVFの外装剥ぎ取り長さを測りません。慣れているので目分量で切ってしまうからです。